この記事は
「学校や保育園で子どもが問題行動を起こしたけど、どう怒ったらいいのか分からない」
「子どもが悪いことした時の𠮟り方に自信がない」
「子どもがトラブルを起こしがちで困っている」
そんな保護者の方に読んでもらいたい内容です。
参考にした図書について
今回私が手に取ったのはこの本。
良本でした。どちらも子どもを育てる立場にある人なら読んでおきたい本だと思います。子どもの考え方は大人とは必ずしも一緒でないということを教えてくれます。
以下、この2冊を読んでわかったことをまとめます。
反省させるのは意味がない
私も教員時代にやりがちでしたが、「相手の気持ちを考えさせて反省させる」というのは意味がないケースがあります。
その理由としてあげられるのが、
- そもそも自分の立場が理解できていない。(自分はなぜ怒られているのか分からない)
- 「反省」するよりも、「恐怖」、「不安」といった気持ちが大きい。(「どうしよう、ものすごく怒られる。怖い」など)
『反省させると犯罪者になります』の著者岡本氏は「子どもが迷惑をかけた相手のことを考えられるのは先」と述べています。
『ケーキの切れない非行少年たち』の中でも、同様の内容が述べられており、そもそも子どもは「自分が悪いことをした」と認知できていないケースが多いと追及しています。
特に衝動的な行為によって起きた問題行動は、「相手が悪い」と考えがちだそうです。このように子どもの中に不満感情がたまっている場合に、相手の苦しみを考えさせて反省を強いるのは無意味です。
子どもが問題行動を起こした時の正しい対処法
では実際に子どもが問題行動を起こした場合どうすればいいのかについてです。ここでは私自身の教員経験の知見も合わせて紹介します。
子どもが問題行動を起こすケースは2つあります。
初めてトラブルを起こした場合
友達に誘われてやってしまったり、その場の環境が悪くて起こってしまうケースです。例えば不適切な場所で野球をやっていて窓ガラスを割ったなどです。
こういった場合は、子どもの話を聞く→原因を考えさせる→同じことが起こらないような対策を考える、という流れを踏めば自然と子どもが反省できるケースが多いです。
頭ごなしにきつく叱らなくても子ども自身は深く反省してるようであれば問題ないと思います。
何度も問題行動を繰り返す場合
この場合は紹介した本で書かれてるように「反省させない」対処が必要だと感じます。なぜなら、問題行動を起こした本人自身が何か問題を抱えているケースが多いからです。
本人が抱えている問題というのは
- いじめられた経験などで対人関係に対しネガティブな気持ちがある
- 学力が低いなどで自己評価が著しく低い
- 家庭環境が良くない(虐待や愛情不足など)
- 発達障害などが原因で生きづらさを感じている
このようなものが挙げられます。そもそも相手の気持ちを考えることが苦手だったり、「自分は理解されていない」という気持ちが邪魔して相手の立場に立って物事を考えることが難しい状況です。
そのような子が問題行動を起こしてしまった場合はまず「話をとことん聞く」ということが大事です。子どもがどんな気持ちを抱えているのかに気づきます。また普段の行動の中でも「おかしい」と思うようなことがあれば支援策を具体的に考えることが大事です。いじめをやめさせるよう学校連携する、特別支援教育について知るなどです。
親が普段からできること
2冊の本でも紹介されていたことが「子どものありのままを受け入れる」ということでした。具体的には
- 我慢強さや一人で頑張ることよりも人に頼ることを教える
- 親自身もありのままをさらけ出す
- 「ありがとう」「うれしい」という言葉をたくさん使う
このようなことです。
子どもに対して「弱音を吐いてはいけない」、「我慢する」、「人に迷惑をかけない」というメッセージを与え続けると人に頼ることができなくなり、モノに依存する可能もあるそうです。そうすると依存症になってしまう危険もあります。(『反省させると犯罪者になります』p154~156参考)
親として子どもにできる最大の役目はどんな時でもその子に心に寄り添うことだと思います。子どもにとって唯一無二の存在だからこそ、ありのままの姿を受け入れてあげることが必要だと思います。
感想&まとめ
教員時代、何度も問題行動を起こす子にはとても苦労しました。注意しても聞かない、話を聞いても口を閉ざす、親に連絡しても効果なし。。。どうすればよかったのだろうと教員を辞めてからも思うことがありましたが、この本を読んであの子たちの心に寄り添えてなかったんだと気づくことができました。
私自身子どもができて、「親としてしっかりしなきゃ」と思うことも多いのですが、親の失敗姿やダメな姿も見せることも大事なんだなと思いました。
普段から子どもとのコミュニケーションを大切にする。子どもの心の奥の気持ちや、何か問題行動を起こしてしまったときににはその背景に気づけるような親になるぞ。そう思えた本に出会えてよかったです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今回書ききれなかったこともたくさんあるので、気になる方はぜひ読んでみてください↓
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